「歯並びが気になっているけど、まだ乳歯だし早いかな…」——東海市の子育て世代から、小学校入学前のこの時期にとくにこのご相談が増えます。「様子を見ていいの?それとも今すぐ受診すべき?」という迷いは、とても自然なことです。じつは、矯正を始めるタイミングには「乳歯列期」「混合歯列期」「永久歯列期」という3つのステージがあり、それぞれ意味と役割がまったく異なります。この記事では、富貴ノ台こんどう歯科の近藤院長が、各時期のポイントを正直にお伝えします。
「うちの子、矯正が必要?」——その疑問を持ったタイミングが相談の始まりです
歯並びが気になりはじめたら、まず「現状把握」から
「もう少し待った方がいいのかな」「何歳になったら連れて行けばいい?」——このように悩んでいるとき、一番大切なのは「今すぐ治療が必要かどうか」よりも、まず「今のお口の状態がどうなっているか」を知ることです。
日本小児歯科学会のQ&Aによると、子どもは成長発育をしているため、上下のあごの骨のバランスを整えやすく、あごの骨やそのほかの発達に影響を及ぼすような症例は子どものときから矯正治療を開始した方が良い場合があります。また、指しゃぶりや口呼吸などの口腔習癖や機能的な問題を改善し、食べたり話したりする口の機能の発達を高めることも可能です。[1]
つまり、「矯正が必要かどうかの判断」は歯科医師が行うことであり、保護者のかたが「まだ早そう」と自己判断でご来院を先送りにしてしまうことが、選択肢を狭めてしまうこともあるのです。
相談先を選ぶことが、正確な判断の第一歩
日本小児歯科学会のQ&Aでは、「認定医や専門医は矯正歯科学会や小児歯科学会が決めた基準を満たし、試験に合格したものに与えられる資格」であり、全国で矯正歯科学会の認定医・専門医合わせて2,000人足らずしかいない」と示されています。標榜していても必ず専門医であるとは限らないのが実状です、と説明されています。[1]
当院では、お子さんの歯やあごの状態を適切に評価したうえで「今すぐ対応が必要か」「もう少し様子を見てよいか」を丁寧にお伝えすることができます。
「疑問を持ったとき」がベストなタイミング
矯正は「症状が重くなってから来るもの」ではありません。成長期にしか設計できないことがあるため、「気になった時点」で一度診断を受けておくと、選択肢が増えます。早すぎる治療が常に正しいわけではないので、検査と経過観察を含めて判断することが大切です。
東海市で「来年小学校に上がる前に一度見せておきたい」とお考えのご家族は、ぜひその直感を大切にしてください。
乳歯列期(3〜6歳ごろ)——この時期に見ておくべきサインとは
乳歯列期は「治療」よりも「観察と習慣づくり」の時期
乳歯が生えそろう3歳から、最初の永久歯が生えてくる6歳頃までが「乳歯列期(にゅうしれつき)」です。この時期は、いきなり矯正装置を装着して歯を動かすケースはほとんどありません。
日本小児歯科学会の「3歳児歯科健康診断における不正咬合の判定基準」では、「矯正治療の時期および口腔習癖や生活習慣指導を含め、かかりつけ歯科医をみつけてご相談ください」という内容を記載するよう推奨しており、この時期は「専門医への受診」と「将来に向けた観察」が目的とされています。[1]
日本小児歯科学会によると、歯並びやかみ合わせが悪くなる要因として、乳歯のむし歯による早期喪失、歯と顎の骨の大きさのバランス、遺伝、そしておしゃぶり・指しゃぶり・舌の癖・口呼吸・頬杖・うつ伏せ寝などの生活習慣の4つが挙げられています。[1]
この時期に気をつけたい「3つの習慣」
乳歯列期に歯並びへの影響を与えやすいのは、主に日常の癖(口腔習癖)です。
1. 指しゃぶり
3歳頃までの指しゃぶりは自然な行動ですが、日本小児歯科学会では、1歳すぎから少しずつおしゃぶりをやめる練習を始め、2歳半までに完全にやめることを推奨しています。乳臼歯が生えそろう2歳半〜3歳を過ぎても使い続けると、歯並びや噛み合わせの問題が固定化しやすくなる可能性があるとされています。[1]
2. 口呼吸
口を常にぽかんと開けている「口呼吸」は、唇や舌の筋肉のバランスを崩し、歯が正しい位置に収まりにくくなります。風邪やアレルギー性鼻炎が原因になっている場合は、耳鼻科との連携も視野に入れましょう。
3. 反対咬合(受け口)
「受け口(下の前歯が上の前歯より前に出た状態)」は、自然に治る可能性が低い症状のひとつです。日本小児歯科学会のQ&Aでは、「乳歯の反対咬合は上下のあごの骨のバランスに問題がなければ、比較的早期にかみ合わせを改善できることがある」と記されています。[1]
乳歯列期に歯科へ来てほしい理由
当院では、この時期のお子さんに対してむし歯予防・定期検診と合わせて「かみ合わせの観察」を行っています。装置をつけて歯を動かす時期でなくとも、「今どんな状態か」「将来どんなリスクがあるか」をお伝えし、必要があれば習癖の改善指導もご一緒に進めていきます。お子さんが怖がらずに通えるよう、当院にはキッズルームとファミリー診療室を完備しており、小さなお子さん連れのご家族にも安心してお越しいただいています。
混合歯列期(6〜12歳ごろ)——子どもの矯正でもっとも重要な「第一期治療」の時期
混合歯列期とは?なぜこの時期が重要なのか
6〜12歳頃は、乳歯と永久歯が入り交じって口の中に並ぶ「混合歯列期(こんごうしれつき)」です。この時期は子どもの矯正でもっとも積極的に治療の検討が行われる時期で、「第一期治療(だいいっきちりょう)」とも呼ばれます。
J-STAGEに掲載された日本小児歯科学雑誌の縦断研究によると、正常咬合の割合は5歳時点で男児47.7%、女児50.0%であったものが、12歳時点では男児23.5%、女児30.0%まで低下しました。4歳から12歳にかけてもっとも増加した不正咬合は叢生(いわゆる「でこぼこ」した歯並び)でした。[2]
つまり、乳歯の段階では問題が少なかった子どもでも、永久歯に生え変わる過程で歯並びが乱れるケースが少なくないことが、縦断研究で示されています。
第一期治療でできること・目指すこと
日本小児歯科学会によると、子どものときから矯正治療を始めることで、先天性欠如歯や埋伏歯などの早期発見・適切な対応ができ、症例によっては歯が生えるスペースを確保して歯を抜かないで済む場合もあります。また、定期的なお口の管理を通じてむし歯や歯周病などの予防知識も身についていきます。[1]
第一期治療の主な目的は「永久歯がきれいに並ぶための土台(あごの大きさ・バランス)を整えること」です。骨格が比較的柔らかく成長途中であるこの時期だからこそ、顎を広げたり成長方向を誘導したりすることが可能です。
当院では、見た目だけでなく噛み合わせや将来の歯列の安定性を考慮した治療計画を立てています。
第一期治療が終わったあとのこと——第二期治療との関係
第一期治療は「これで矯正が完了」ではありません。永久歯がすべて生えそろったあと(12〜13歳頃以降)に「第二期治療」として、個々の歯の並びを整える本格的な矯正を行うことが一般的です。
第一期治療でしっかりあごの土台を整えておくことで、「第二期治療が不要になるケース」や「抜歯なしで治療が完了するケース」が増える可能性があります。ただしこれは個々のお口の状態によって異なるため、担当医との継続的な相談が大切です。
永久歯列期(12歳以降)——「今からでも遅くない」けれど知っておくべきこと
永久歯がそろってからでも矯正はできる
小学校を卒業し、永久歯がすべて生えそろった12歳以降は「永久歯列期(えいきゅうしれつき)」です。この時期に始める矯正を「第二期治療」または「成人矯正に準じた治療」と呼びます。骨格的な問題が少ない場合には、この時期から始めても十分に歯並びを整えることができます。
J-STAGEに掲載された小学生を対象とした6年間の縦断調査では、不正咬合の発現頻度として上顎前突(出っ歯)や前歯部の叢生(でこぼこ)は学年が上がるにつれて増加する傾向が報告されています。[2]
成長による変化を継続的に追うことが、適切な治療開始タイミングの把握につながります。
2024年から「矯正相談」に保険が使えるように
子どもの矯正に関する制度面でも、大きな変化がありました。令和6年度診療報酬改定において、日本矯正歯科学会と日本小児歯科学会の連名で、学校保健安全法に基づく学校歯科健康診断の結果を受けた「歯科矯正相談料」が新設されました。これにより、矯正歯科に関する専門的な知識を有していれば、保険診療において相談や診断を行うことが可能となりました。[3]
つまり、学校の歯科健診で「歯列・咬合の異常(要精検)」と指摘されたお子さんは、その用紙を持参することで最初の矯正相談が保険診療の対象になる場合があります。ただしこれは「矯正治療そのもの」が保険適用になるわけではなく、あくまで「相談・診断」の一部に限られます。詳しくは受診時にご確認ください。
当院での矯正相談の流れ
当院では、はじめての矯正相談をご希望の場合、まずカウンセリングルームでお子さんとご家族の疑問やご要望をしっかりお聞きします。そのうえで必要に応じてX線撮影などを行い、現状のお口の状態と今後の治療計画の方向性をわかりやすく説明します。画像や模型を使って視覚的にお伝えしますので、専門知識がなくても理解しやすいように工夫しています。
矯正治療は一般的に自費(保険適用外)診療となりますが、費用や通院回数についても事前に丁寧にご説明しますので、「まずは話を聞いてみたい」という段階でも安心してご来院ください。
まとめ
- 乳歯列期(3〜6歳ごろ)は本格的な矯正治療を始める時期ではなく、日常の癖(口呼吸・指しゃぶり・受け口など)を確認し、将来のリスクを把握する大切な「観察期」です。
- 混合歯列期(6〜12歳ごろ)は「第一期治療」として顎の成長を利用した矯正ができるもっとも重要な時期です。J-STAGEの縦断研究でも、この時期にかけて不正咬合が増加することが示されています[2]。
- 「気になった時点で相談」が正解です。日本小児歯科学会も「症例によっては乳歯列期に早めに治療を開始した方が予後の良い場合もある」と示しており、自己判断での先送りは選択肢を狭めることがあります[1]。
- 2024年6月から、学校歯科健診で「要精検」と指摘されたお子さんの矯正相談に保険が使える場合があります(矯正治療そのものの保険適用とは異なります)[3]。
- 相談先をよく確かめて、早めに相談することが重要です。
「来年小学校に上がる前に一度診てもらいたい」——そのタイミングが、実は矯正相談の好機です。当院では、お子さんの歯の状態を確認したうえで、今すぐ対応が必要か・様子を見てよいかを丁寧にお伝えします。東海市で子どもの矯正を検討中の方は、WEB予約(24時間受付)またはお電話 052-613-8619 でご予約ください。キッズルーム・ファミリー診療室完備で、お子さん連れでも安心してご来院いただけます。バス停「星城大学東」から徒歩1分、駐車場(幅2.7m)も完備しています。富貴ノ台こんどう歯科へぜひお気軽にご相談ください。
はじめて受診される方は、初めての方へ(初診の流れ)もあわせてご覧ください。
参考文献
[1] 公益社団法人 日本小児歯科学会「子どもたちの歯並び・かみ合わせの治療に関するQ&A」jspd.or.jp
[2] 豊田耕三ほか「小児の歯列および咬合状態の成長発達に関する縦断研究」小児歯科学雑誌(J-STAGE)jstage.jst.go.jp
[3] 公益社団法人 日本矯正歯科学会・公益社団法人 日本小児歯科学会「日本小児歯科学会および日本矯正歯科学会共同発信『歯科矯正相談料の基本的な考え方』について」jos.gr.jp